2025/06/16
「笑顔の素敵な子に育てよう」~こどもの口はふしぎがいっぱい~ADSショーケース2025 ADS特別セミナー
「笑顔の素敵な子に育てよう」~こどもの口はふしぎがいっぱい~
講師:岡崎 好秀先生
開催日時:2025/7/13(日) 13:00~14:30
開催場所:奈良県コンベンションセンター2F会議室203
参加費:¥2,000(税込)
定員:120名
セミナー内容:
現在,乳幼児期・児童期のむし歯は減少したが,新たな問題が増えている。
その代表的なものが口呼吸の増加など口腔機能発達不全症である。私は,長年障害を持つ小児の診療に携わってきたが,彼らにはこれらの問題が非常に多い。その理由として障害による口腔機能の未成熟の問題と考えてきた。しかし,これが一般の小児にも増えているとしたら,それは何を意味しているのだろう。本来獲得されうるレベルまで,小児の口腔機能が発達していないのではないだろうか。
一方,成人期の口腔機能低下症(オーラルフレイル:むせやすい・飲み込み難い・口が乾く・食べこぼしが増えるなど)は40歳代から起こっている。ヒトの体やその機能は,すべてが20歳頃に最高に達する。従って,小児期に機能を高める取り組みが,生涯の健康において重要となる
小児期の“わずかなひずみ”は,次第に拡大し“大きなひずみ”となって現れる。したがってこの“ひずみ”の原因を考え,取り除くことは発達期における重要な課題といえる。
私は「口は食物が最初に入る場所であるから,食物が変われば最初に変わるのは口ではないか」と思い診療にあたってきた。かつて乳歯むし歯が多かった時代は,砂糖入りの甘いお菓子が多かった。現在は,軟食傾向のため歯周病が増えているといわれる。発達期の口腔機能の問題も,これらと同じ現象ではなかろうか。小児の口腔は,その時代や生活環境を映し出す鏡なのである。
今回は,小児の口腔機能発達不全症の原因とその対策について考えてみたい。